歯科で使われている漢方薬

漢方薬は、口腔疾患に適した薬だと言われています。最近では、歯学部の大学病院や総合病院の口腔外科でも漢方薬を積極的に使う歯科医が増えています。漢方薬が有効な口腔疾患としては、口内炎、口腔乾燥症、味覚障害、口臭、舌痛症、顎関節症、抜歯後の痛み、歯周疾患、口腔がん、口腔不定愁訴、などが挙げられます。歯科で使われている代表的な漢方薬を挙げます。

立効散(りっこうさん)という歯痛や抜歯後の痛みの処置に使われる漢方薬です。中国では口腔内に含んで口腔粘膜から直接作用させて使っていたと言われています。通常は抜歯後の痛みには鎮痛剤が用いられますが、難抜歯の場合には立効散のほうが有効だと考えられています。半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、黄蓮湯(おうれんとう)は口内炎の治療に効果があるとされています。

再発性のアフタ性口内炎や、舌炎、口唇ヘルペスなどにも効果が期待されています。漢方薬は体質によって同じ症状でも違う種類の薬を使うので、口内炎でも患者さんの体質によって異なる種類の漢方薬を処方します。五苓散(ごれいさん)、白虎加人参湯(びゃっこうかにんじんとう)は口腔乾燥症に有効とされています。排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)は歯周炎に用いられます。

歯科医療界では、口腔を一つの臓器として捉えていく考えが登場しており、このような漢方治療が盛んに行われています。一般的な歯科でも漢方薬を積極的に使っているところもあります。

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